肩の痛み

肩の痛みは肩こりから四十肩、腱板断裂、関節の変形や脱臼まで原因はさまざまです。
症状に応じた正しい診断と治療を受けることで、長引く痛みを改善し日常生活を快適に過ごせます。
SUPERVISOR
この記事の監修者

日本整形外科学会専門医
これまでスポーツ整形外科や膝関節治療を専門に研鑽を積み、前十字靭帯断裂や半月板損傷など膝関節鏡手術を中心にスポーツ外傷や障害の治療・リハビリに携わってきました。一般整形外科に加え、肩関節脱臼などの専門手術も行い、地域の皆さまが安心して受診できる医療を心がけています。
肩の痛みの種類
肩の痛みには、肩こりや四十肩・五十肩といった加齢や生活習慣によるものから、腱板断裂や関節の変形、脱臼など外傷や病気が原因となるものまで多くの種類があります。ここでは代表的な疾患を紹介します。気になる症状がある場合は、それぞれの詳細ページもご覧ください。
肩こり

肩こりは首から肩にかけての筋肉が緊張し、重だるさや痛みを感じる状態を指します。
デスクワークやスマートフォンの長時間使用、姿勢不良などが主な原因です。
主な症状
- 首から肩にかけての重だるさ
- 肩や背中の張り感
- 頭痛や吐き気を伴うこともある
- 首や肩の可動域が狭くなる
肩こりの原因
- 長時間の同じ姿勢(デスクワーク・スマホ操作など)
- 姿勢不良や猫背
- 眼精疲労やストレス
- 運動不足による血流低下
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)

肩関節周囲炎は、中高年に多くみられる肩の慢性的な炎症で「四十肩」「五十肩」と呼ばれます。
関節包や靱帯が炎症を起こし、肩の可動域が制限されて腕が上がりにくくなるのが特徴です。
主な症状
- 腕を上げたり後ろに回したりすると強い痛み
- 夜間痛があり、眠れないことがある
- 肩関節の動きが制限される(服の着脱が困難)
原因
- 加齢による肩関節組織の変性
- 運動不足や血流低下
- 関節包や靱帯の炎症
肩腱板断裂

腱板は肩関節を支える重要な筋肉の集合体で、断裂すると腕を上げる・回すといった動作に支障をきたします。
外傷や加齢による変性が原因で発症し、強い痛みと可動域制限を伴うことがあります。
主な症状
- 腕を上げる・回す動作で強い痛み
- 夜間痛があり眠れない
- 肩の力が入らず、物を持ち上げられない
- 肩の可動域制限
原因
- 加齢による腱の変性
- 転倒やスポーツ外傷
- 長年の肩の使いすぎ
変形性肩関節症

変形性肩関節症は、肩関節の軟骨がすり減り、関節が変形することで痛みや可動域制限を引き起こす疾患です。
加齢とともに発症することが多く、進行すると日常生活動作に大きな支障をきたします。
主な症状
- 肩の動作時の痛み
- 肩の動きが徐々に制限される
- 関節のゴリゴリ音(軋轢音)を伴うことがある
原因
- 加齢による軟骨の摩耗
- 過去の外傷や脱臼歴
- 遺伝的要因
肩関節脱臼

肩関節脱臼は、転倒やスポーツ外傷などで肩の骨が関節から外れてしまう状態です。
再発しやすく、放置すると関節の不安定性や軟骨損傷につながります。
主な症状
- 肩の強い痛みと変形
- 腕が動かせない
- 神経圧迫によるしびれや感覚異常
原因
- 転倒やスポーツ外傷
- 交通事故などの強い衝撃
- 過去の脱臼歴による関節の緩み
肩の痛みの検査で用いる検査機器・設備について

肩の痛みの原因を正確に診断するためには、症状だけでなく画像検査による確認が欠かせません。
当院では、レントゲン・超音波診断装置・MRIなど複数の検査機器を組み合わせ、肩の状態を総合的に評価しています。
これにより、原因を特定し、適切な治療につなげることができます。
レントゲン
レントゲン検査は、骨の状態を調べる基本的な検査です。肩関節の骨折や変形、関節の隙間の狭さなどを確認できます。簡便に撮影でき、外傷や関節症の有無を把握する際に有効です。
超音波診断装置
超音波診断装置(エコー)は、腱や靭帯、筋肉などの軟部組織をリアルタイムに観察できる検査です。
被ばくがなく体への負担が少ないため、繰り返し検査が可能です。
肩腱板断裂や炎症の有無を確認するのに役立ちます。
MRI
MRI検査は、腱板や関節唇など肩の詳細な構造を鮮明に描出できる検査です。腱板断裂の程度、関節内の炎症や出血の有無などを精密に確認できます。レントゲンやエコーでは分かりにくい病変の診断に欠かせません。
整形外科河村医院ではMRIを導入しており、検査当日に医師が画像をもとに丁寧に説明いたします。
肩の痛みに対する治療法

肩の痛みは原因や症状の程度によって治療法が異なります。
軽度の場合は薬物療法やリハビリで改善が見込めますが、重度の損傷や変形では手術が必要となることもあります。
当院では症状に応じた適切な治療を提案しています。
薬物療法
痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛薬(内服薬や外用薬)、ステロイド注射などを使用します。
症状が強い場合には関節内注射を行うこともあり、早期の炎症コントロールに有効です。
薬物療法はあくまで症状を和らげる治療であり、原因疾患の根本改善にはリハビリや手術といった他の治療を組み合わせることが重要です。
リハビリテーション
肩の痛み改善にはリハビリが欠かせません。理学療法士による運動療法やストレッチ、筋力トレーニングを行い、肩関節の可動域回復と再発予防を目指します。
整形外科河村医院では、約20名の理学療法士が在籍し、患者様一人ひとりに合わせたリハビリプログラムを提供しています。
専門スタッフが日常生活動作の改善までしっかりサポートすることで、痛みの軽減だけでなく生活の質の向上を図ります。
手術療法
保存的治療で改善が見られない場合や、腱板断裂・関節の変形・繰り返す脱臼など重度の肩の疾患には、手術療法が検討されます。
代表的なものに 肩腱板修復術、鏡視下手術(関節鏡手術)、人工肩関節置換術 などがあります。
手術は損傷した組織を修復・再建することで、肩の機能を取り戻し、痛みを軽減することを目的としています。
特にスポーツや日常生活に大きな支障がある場合には、早期の手術が選択肢となります。
整形外科河村医院では肩を専門とする医師が在籍!

整形外科河村医院には、肩関節・肘関節を専門とする 宮﨑 義雄 医師 が在籍しています。
豊富な臨床経験とスポーツ整形外科の知見を活かし、幅広い患者様に対応しています。肩の痛みが長引いている方や、原因がわからず不安な方も安心してご相談いただけます。
宮﨑医師はスポーツ医学の現場にも深く関わっており、学生・社会人・プロアスリートまで幅広い層の治療を経験しています。
スポーツで肩を痛めた方はもちろん、日常生活の肩の不調に悩む方にも専門的な治療を提供しています。
宮﨑 義雄 医師 プロフィール
専門分野:整形外科、スポーツ整形外科(特に肩関節・肘関節)
経歴
1995年 香川医科大学(現香川大学)医学部卒業、整形外科入局
1996年 坂出市立病院 整形外科
1997年 大阪厚生年金病院(現JCHO大阪病院)整形外科
2000年 関目病院 整形外科
2001年 森ノ宮医療学園専門学校 柔道整復学科 講師
2010年 森ノ宮医療学園附属みどりの風クリニック 整形外科
2011年 同クリニック 院長
2016年 大阪市東成区医師会 理事
2020年 医療法人尚信会 整形外科河村医院
所属学会
- 日本整形外科学会
- 日本肩関節学会
- 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会
関連スポーツチーム・大学
- 近畿大学硬式野球部、九州共立大学硬式野球
- Honda熊本硬式野球部、ダイハツ工業株式会社陸上競技部
- プロ野球トレーナーOB協会
サイト監修者について

整形外科河村医院 院長
日本整形外科学会専門医
河村 禎人
スポーツ整形外科や膝関節の治療を専門として努め、一般整形外科以外にも関節の変形による痛みに対してのリハビリなど手術によらない治療にも取り組んできました。
また、前十字靭帯断裂や半月板損傷などの膝関節鏡手術を中心として、スポーツ外傷、障害の手術やリハビリに取り組んでいます。














