離断性骨軟骨炎

離断性骨軟骨炎とはABOUT

離断性骨軟骨炎は、関節軟骨を支える軟骨下骨が、何らかの原因で壊死し、関節内の骨軟骨組織が損傷したりはがれたりする疾患です。膝関節や肘関節、足関節などに好発します。

離断性骨軟骨炎の原因CAUSE

スポーツなどによって繰り返される負荷やケガによって、軟骨下の骨に負荷がかかることが原因で、血流障害を起こし軟骨下の骨が壊死すると、軟骨の一部が分離し関節内に遊離します。

離断性軟骨炎の症状SYMPTOM

症状は当初は違和感や軽度の運動時痛などですが、進行すると明らかな痛みとなり、軟骨が剥離すると遊離体(関節ねずみ)となり、ロッキングなどの明らかな症状を呈するようになります。遊離して変化が進んだ軟骨は、もとに戻すことができなくなるため、早期に発見して治療することが必要です。

離断性軟骨炎の診断・検査DIAGNOSIS

診断は、症状と理学所見、特に画像診断ではX線検査、MRIなどを行います。特にMRIは明確に病巣を描出するので、その段階の把握や治療方針の決定にも必須です。

離断性骨軟骨炎の治療TREATMENT

治療は、膝の離断性骨軟骨炎においては、年齢や病態によって、松葉杖による免荷や運動制限を主とする保存療法か手術かを選択します。
学童期など低年齢の場合には、免荷や運動制限などによる保存療法を優先することも多いのですが、局所安静期間が6ヶ月を超えることも少なくないため、活動性が高く早期治癒を期待する場合や保存療法で症状が改善しない場合は手術を進めています。
当院で施行している術式について簡単に説明します。

骨穿孔術(逆行性骨穿孔法、マイクロフラクチャー法)

関節軟骨を損傷しないように手前から骨髄を介して壊死した軟骨下骨に小さな骨孔を作成して骨髄から病巣部に骨髄液を誘導することで、病巣部の治癒を促します。関節軟骨がはがれてしまっている場合には、関節面から骨孔を作成することもあります。

骨軟骨整復固定術および骨移植術

骨軟骨片がはがれてしまっていたり、はがれないまでも不安定な場合には骨軟骨を元に戻して固定をします。骨軟骨片を一旦はずして、病巣部を新鮮化します。必要により正常な骨を母床に移植して骨軟骨片を戻して吸収性ピンや自家骨軟骨柱などで固定をします。将来抜釘が必要になる場合もあります。

自家骨軟骨移植術

骨軟骨片が遊離体して変化が進行して元に戻すことができない場合で、関節軟骨には放置できない大きな欠損がある場合には自家骨軟骨移植術を行います。これは膝関節内の別の部分から、正常な骨軟骨柱を採取して病巣部に移植する方法です。本来の関節軟骨で修復される利点がありますが、正常な軟骨部分から採取するためその部位には限界もあります。

骨軟骨片摘出術

はがれ落ちた骨軟骨片が変性し元に戻せない場合で、関節軟骨の欠損は比較的小さい場合に選択します。

<リハビリテーション>

術後のリハビリは手術翌日より行いますが、その経過は行った手術により異なります。骨軟骨片摘出術の場合は、手術翌日から歩行や可動域訓練が可能ですが、骨穿孔術や骨軟骨整復固定術、自家骨軟骨移植術の場合には、手術内容によって数週間の免荷を要する場合があります。骨軟骨整復固定術を除いて、通常は関節の固定は選択されません。

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