MRI検査

MRI検査は現代医療において欠かせない画像診断技術です。当院ではセミオープン型のMRI装置と診療放射線技師が常駐し、患者様に安心して検査を受けていただける環境を整えています。
MRI検査の基本から当院での検査の流れ、費用、注意事項まで詳しくご説明します。
MRI検査とは
MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像)検査は、強力な磁石と電波を使って体内の断層画像を撮影する検査方法です。
X線を使用せず放射線被ばくがないため、安全性の高い検査として広く活用されています。
特に軟部組織(筋肉、靭帯、腱、脳、脊髄など)の状態を詳細に観察できることが大きな特徴です。
整形外科領域では、膝や肩の靭帯損傷、半月板損傷、腰椎椎間板ヘルニアなどの診断に非常に有効です。
検査時は、トンネル状の装置の中に入り、20分から40分程度じっとしていただく必要があります。
当院では患者様の不安を和らげるため、検査前に丁寧な説明を行い、必要に応じてリラックスできる環境づくりに努めています。
検査中も常に診療放射線技師がモニターで状態を確認しています。
痛みは全くありません。
MRI検査で何が分かるのか

MRI検査は様々な疾患や症状の診断に役立ちます。特に整形外科領域では以下のような状態を詳細に観察することができます。
- 膝関節の半月板損傷や前十字靭帯断裂
- 肩関節の腱板断裂や関節唇損傷
- 関節の中の軟骨損傷
- 腰椎・頸椎の椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症
- 骨や関節の炎症、腫瘍、骨壊死
- 筋肉や腱の損傷
以下では、それぞれどのような疾患であるかについて解説します。
MRI検査はX線検査では分かりにくい軟部組織の状態を鮮明に映し出すことができます。
例えば、膝の痛みがある場合、X線検査では骨の状態は確認できますが、半月板や靭帯の状態は分かりません。MRI検査はX線検査では分かりにくい軟部組織の状態を鮮明に映し出すことができます。
MRI検査ではこれらの軟部組織の状態を詳細に観察できるため、より正確な診断が可能になります。
また、水腫や骨髄の変化も評価できるので、治療方針の決定や経過観察にも役立ちます。
当院では膝関節および肩関節の専門医や脊椎の専門医が在籍しており、MRI画像を正確に分析し治療方針を決定します。
当院のMRI検査

当院では、開放性に優れた前面ワイドオープンタイプのMRI装置を導入しています。
閉所が苦手な方にも安心して検査を受けていただけるよう、圧迫感の少ない開放型の設計を採用しています。
また、膝関節の軟骨撮像など、撮影が難しい部位に対しても適切な撮影方法を用いることで、質の高い検査を実現することが可能です。
専門医療機関からの検査依頼にも対応するなど、技術の向上にも努めています。
MRI検査に要する時間
MRI検査にかかる時間は、検査の部位や目的によって異なります。一般的な流れと所要時間についてご説明します。
当院でのMRI検査は、準備から検査終了まで合計で約30分から1時間程度です。
実際の撮影時間は20分から40分程度ですが、検査前の準備や説明、検査後の着替えなどの時間も含めると、院内での滞在時間はもう少し長くなります。
MRI検査は精密な検査であるため、じっくり時間をかけて丁寧に行うことが重要です。
検査の流れは以下のようになります。
- 受付・問診票記入(約5分)
- 更衣室での着替え(約5分)
- 金属チェックと検査の説明(約5分)
- MRI撮影(20〜40分)
- 着替え(約5分)
検査部位と内容によって撮影時間は異なります。
例えば、膝、肩、肘、足関節などの関節の場合は30分~40分分程度、腰椎や頸椎の場合は30分程度ですが、撮像目的により多少の増減があります。
POINT
当院では、患者様の負担を軽減するため、できるだけ効率的な検査を心がけていまただし、正確な診断のためには十分な画像データが必要ですので、必要に応じて複数の角度や条件での撮影を行うことがあります。
検査当日は、予約時間の10分前にはご来院いただくことをお勧めします。また、スムーズに検査を進めるため、事前に金属製品(アクセサリーなど)を外していただくとスムーズです。
結果がわかるまでに要する時間
当院でのMRI検査の結果については、基本的には検査当日にお伝えすることが可能です。
ただし、より詳細な分析が必要な場合や、専門医による読影が必要なケースでは、数日お待ちいただくことがあります。
当院では、患者様の不安を軽減するため、できるだけ速やかに結果をお伝えするよう努めています。
詳細な結果説明と今後の治療方針については、当日もしくは後日の診察時に担当医よりご説明します。
MRI画像をモニターでお見せしながら、分かりやすく丁寧な説明を心がけていますので、ご安心ください。
MRI検査の費用
MRI検査の費用は、検査部位や撮影条件によって異なります。
当院では保険診療でのMRI検査を行っており、一般的な費用の目安をご紹介します。
健康保険を使用した場合のMRI検査の自己負担額は、3割負担の方で約5,000円〜710,000円程度です。
これは単一部位(膝や肩など)を標準的な条件で撮影した場合の目安となります。
なお、自己負担割合は保険の種類によって異なります。
高齢受給者証をお持ちの方や、後期高齢者医療制度の対象の方は、自己負担割合が1割または2割となりますので、上記よりも負担額は少なくなります。
高額療養費制度の対象となる場合もありますので、必要に応じてご案内いたします。
どのような症状でMRI検査が必要かわからない場合も、まずは当院にご相談ください。
症状に応じて適切な検査をご提案いたします。
MRI検査の流れ
当院でのMRI検査の具体的な流れをご説明します。初めての方でも安心して検査を受けていただけるよう、各ステップを詳しくご紹介します。
01. 受付・問診
来院後、受付で保険証をご提示いただき、MRI検査に関する問診票にご記入いただきます。
金属製のインプラントや心臓ペースメーカーの有無など、安全に検査を行うための重要な確認事項がありますので、正確にご記入ください。

02. 着替え
検査着に着替えていただきます。金属を含む衣類(ファスナーやホックのあるもの)、アクセサリー類はすべて外していただきます。
貴重品はロッカーに保管できます。

03. 検査前説明
診療放射線技師が検査の内容や注意点について説明します。
不安なことや質問があれば、この時にお気軽にお尋ねください。

04. 検査開始
MRI装置のベッドに横になっていただき、検査部位に応じたコイル(受信機)を設置します。体の位置を調整した後、ベッドがゆっくりとMRI装置内に移動します。

05. 撮影
装置内では「カンカン」「ゴトゴト」という大きな音がしますが、これは正常な動作音です。
検査中は身体をできるだけ動かさないようにしてください。緊急時には手元のブザーで知らせることができます。

06. 検査終了
撮影が終わると、ベッドが装置から出てきます。診療放射線技師が体調を確認し、着替えのご案内をします。

07.結果説明
検査後、医師による画像の確認が行われます。
当日の診察で所見をお伝えすることも可能ですが、詳細な結果説明は後日の診察時となることがあります。
検査時間は部位によって異なりますが、一般的に20〜40分程度です。
検査中は装置内で静かに横になっている必要がありますが、常に診療放射線技師がマイクを通じて声をかけたり、状態を確認したりしていますので安心してください。
MRI検査中の注意事項
MRI検査を安全かつ効果的に行うために、以下の注意事項をご確認ください。
これらの点に注意することで、より鮮明な画像を得ることができ、正確な診断につながります。
- 動かないこと
検査中は指示があるまで身体を動かさないでください。わずかな動きでも画像がぶれる原因になります。 - 呼吸について
基本的には自然な呼吸で構いませんが、一部の撮影では「息を止めてください」という指示があります。その場合は指示に従ってください。 - 金属製品の確認
検査前に金属製品(アクセサリー、ヘアピン、入れ歯、カイロなど)を必ず外してください。ポケットの中の小銭やカードも要注意です。 - 化粧・整髪料
金属成分を含む化粧品(アイシャドウなど)や整髪料は避けてください。 - 緊急時の対応
検査中に気分が悪くなったり、何か異常を感じたりした場合は、すぐに手元のブザーを押してお知らせください。
長時間同じ姿勢でいることによる不快感を軽減するため、体の下にクッションを入れるなどの工夫を行っています。
※整形外科のMRI検査では、検査前に水分や食事の制限はありません。
MRI検査の禁忌事項
MRI検査は強力な磁場を使用するため、以下の方は検査を受けられない、または注意が必要な場合があります。
該当する可能性がある方は、必ず事前にお申し出ください。
- 心臓ペースメーカーや埋め込み型除細動器を装着している方
機器の誤作動を引き起こす可能性があり、原則検査はできません。 - 脳動脈クリップなど、体内に金属製の医療器具がある方
種類によっては検査可能な場合もありますが、事前の確認が必要です - 人工関節や人工骨、整形外科用金属(プレート、ネジなど)がある方
多くの場合は検査可能ですが、材質の事前確認が必要です。 - 金属片の外傷歴がある方
特に目の周辺の金属片は危険です。 - 妊娠中または妊娠の可能性がある方
基本的には検査可能ですが、特に妊娠初期は必要性について医師と相談が必要です。 - 刺青やアートメイクがある方
金属成分を含む場合、熱を持つことがあります。 - 閉所恐怖症の方
当院のMRIはセミオープン型ですので検査は可能ですが、事前にご相談ください。
これらの禁忌事項は絶対的なものではなく、状況や条件によって判断が異なる場合があります。
心配な点がある方は、検査前に医師または診療放射線技師にご相談ください。
よくある質問
サイト監修者について

整形外科河村医院 院長
日本整形外科学会専門医
河村 禎人
スポーツ整形外科や膝関節の治療を専門として努め、一般整形外科以外にも関節の変形による痛みに対してのリハビリなど手術によらない治療にも取り組んできました。
また、前十字靭帯断裂や半月板損傷などの膝関節鏡手術を中心として、スポーツ外傷、障害の手術やリハビリに取り組んでいます。