後十字靭帯損傷(PCL損傷)

後十字靭帯損傷(PCL損傷)とはABOUT

後十字靭帯は膝関節内に存在し、膝が後方へ亜脱臼しないようにしている靭帯です。
前十字靭帯に比べて太さと強度があり、脛骨(けいこつ)が後方へずれないよう安定をさせる役割があります。膝を強くひねったり、急に膝をついた時、交通事故で膝を打った時などが原因で損傷(断裂)してしまう場合があります。損傷(断裂)してしまうと、日常生活には特に支障をきたすことはあまりないですが、階段を下りる時やスポーツで着地した時に膝が崩れるような感覚が起こります。

後十字靭帯損傷(PCL損傷)の原因CAUSE

後十字靭帯損傷は、スポーツなどで急に膝をひねったり、ジャンプして着地をしたとき、交通事故などで膝を強く打ったときなど、膝関節を構成する脛骨(けいこつ)が後方へ押し込まれるような力が加わることで靭帯の損傷(断裂)を起こします。

後十字靭帯損傷(PCL損傷)の症状SYMPTOM

後十字靭帯損傷(PCL損傷)を起こすと、強い痛みや膝の強い腫れが見られ、時には立ち上がれないほどの症状が出ることがあります。また、歩行時やスポーツをしている時膝が不安定に感じます。

後十字靭帯損傷(PCL損傷)の診断・検査DIAGNOSIS

まず所見として「どれくらい痛むのか」「膝がグラグラしていないか」という評価を行います。次にさらに詳しく診断するために画像検査を行います。
レントゲン検査(X線検査)で骨折の有無を確認し、靭帯の損傷や半月板や軟骨の損傷の有無を調べるためにCT検査やMRI検査を行います。

後十字靭帯損傷(PCL損傷)の治療TREATMENT

膝後十字靭帯(PCL) は膝関節内にあって、脛骨(すねの骨)が後ろへずれないように機能します。今までは、後十字靭帯損傷の多くは手術をせずに筋力訓練による保存治療が選択されてきました。多少ゆるさが残っても膝不安定感が小さいことや、手術をしても一定の緩さが残ってしまうことがその理由でした。
しかし最近では、後十字靭帯損傷による一定以上のゆるさを放置すると、軟骨損傷や半月損傷が頻発することがわかってきました。また手術手技や手術術式の改良に伴い以前より安定した術後成績が得られるようになってきたため、後十字靭帯再建術が見なおされてきています。当院では、保存治療を行っても不安定感が残る場合やMRIで軟骨や半月板の損傷を合併していることが判明している場合には後十字靭帯再建術を勧めています。

<鏡視下解剖学的二重束再建術>

手術は関節鏡(膝の内視鏡)を用いて行います。後十字靭帯は、機能の異なる2つの束(前方外側束と後方内側束)から構成されていますので、移植腱としてハムストリング腱を用いての2つの束それぞれを再建します。また、本来の靭帯が付着していた場所(解剖学的位置)に骨孔を設置します。半月板や軟骨の損傷がある場合には、同時にその修復も行います。
 後十字靭帯再建術は、適切な関節鏡手術手技で行われる必要があります。当院(整形外科河村医院/大阪市港区)は、関節鏡技術認定制度の認定医が在籍する医療機関です。

<リハビリテーション>

リハビリは術翌日から開始しますが、術後は2週間のニーブレース固定を行い、ブレース終了後に慎重な可動域訓練や筋力増強訓練を行います。4ヶ月頃よりランニングを開始し、6~7ヶ月でスポーツ部分復帰、8~12ヶ月で完全復帰としています。

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